三重県津市にある「みえぎょれん」のサイトです。「みえぎょれん」や三重の海の紹介、お魚を使った料理レシピも掲載してます。

平成26年度・第36回 三重県海の子作品展 審査講評(三重県美術教育研究会 後藤みちる)

第36回三重県海の子作品展に入賞された皆さん、おめでとうございます。
また、県内各地の小中学校から出品していただいた児童生徒の皆さんにつきましては、「海」または「漁業」「漁村」に目を向け、発見や感動を伝えていただきありがとうございました。昨年度と比べて参加数・出品数はともに減少しましたが、鮮やかな色彩と力強いタッチからは、皆さんの元気に取り組む姿が伝わってきました。

小学校の部では、海や漁村で働く人々の姿を観察し、その様子を生き生きと再現した作品や、さまざまな姿をした海の生き物たちを豊かな色彩で描いた作品が入賞しました。 小学校の部で三重県知事賞を受賞した志摩市立鵜方小学校5年の太田 葉月さん『このひものはうまいで!』は、天日干しされたイカやふぐがおいしそうに描かれ、日よけのパラソルや働く人の表情は明るく陽気で、店の前を歩いているような活気と潮の香りを感じました。
また、三重県教育委員会賞を受賞した紀北町立相賀小学校6年の泉 憲志郎さん『大漁しぶきだ!』は、魚の群れが水揚げされた時の勢いを、激しい水しぶきとともに描き出し、夏のギラギラと輝く太陽の光を全身に受けて働く漁師たちのたくましさを表現しました。

中学校の部では、海で働く人々に注目し、その作業の様子を真剣に見つめて描いた作品が多く寄せられました。
中学校の部で三重県知事賞を受賞した尾鷲市立尾鷲中学校2年の伊藤 乃愛さん『尾鷲魚市場サンマの大漁に沸く』は、サンマ一匹一匹の姿を良く観察し、その色つや輝きを見事に表現しました。市場に集まった人々、天井の梁、水が反射したコンクリートの地面に至るまで、すべてを全力で描いた熱意に圧倒されました。
また、三重県教育委員会賞を受賞した同じく尾鷲市立尾鷲中学校3年の西出 安寿美さん『アワビ採りを競う鳥羽の海女さん』は、たくさんの海女さんが一斉に海に入り漁を競う様子を描いた作品ですが、青い海に磯着の白、磯桶の茶が良く映えています。また海女さん一人一人の様子も愛情を込めて描かれています。

審査では、どの作品からも作者の思いが強く伝わり、入賞作品の選考や各賞の決定については大変苦労しました。子どもたちの観察力や表現力のすばらしさを改めて感じる機会となりました。

最後に、この絵画展がますます発展し、三重の海がいつまでも美しく豊かでありますことと、海の安全を願いまして審査の講評と致します。ありがとうございました。