平成23年3月11日、東日本を襲った大震災大津波により、東北の漁村では数多くの仲間達が家族を失い、家を追われ、船や漁具も流されるなど、一瞬のうちにすべてを奪われてしまいました。
三重県内21漁協と県内水産関係団体で組織する三重水産協議会(代表 三重県漁連会長・永富洋一)は、震災直後より飲料水、食料品や瓦礫撤去に必要な作業資材等を現地に送付し、また、全国の漁業団体が実施する義援金活動等に協力してまいりましたが、漁場を回復し一日も早く漁業を再開するためには小型漁船の手当てが何よりも望まれていることから、県内漁業者に呼びかけ中古漁船を提供頂き、東北地方の同胞に届けるプロジェクトを発足いたしました。
平成23年5月28日に中古漁船輸送(絆)プロジェクトも第1便として、鈴鹿市漁協より宮城県漁協石巻湾支所へ7隻の船外機船を届けましたが、被災地ではまだまだ沢山の漁船を必要としている状況でした。そのため、同じ海を生活の糧とする東北地方の漁業者の一助となるべく、平成24年7月末まで、県内から県外も含め多方面からの協力をいただきながら中古漁船と漁具、物資等を輸送してまいりました。
三重県各地からいただいた中古漁船情報は231隻を数え、様々な漁具情報も提供いただくなど、県内漁業者の熱き想いと使命感と誇りを感じた次第です。輸送漁船については、56隻(電動船2含む)を私たちの想いとともに東北の漁業振興のために届けました(支援内容・漁船輸送先については下記のとおりです)。
多くの方々に当プロジェクトの趣旨に賛同していただき、東北漁業の復興支援に格段のご協力を賜りましたことを、この場をかりてお礼申し上げます。
東北と三重の絆
三重県内の近海かつお一本釣船や大中まき網・さんま棒受け網漁船は、夏~秋にかけて東北地方沖合で漁業操業し、宮城県の気仙沼漁港だけでも年間20億円を水揚げするなど、県内漁業者が大変お世話になっています。また、鳥羽志摩地区で営まれているカキ養殖業は、種ガキ(稚ガキ)のすべてを宮城県産に頼っており、東北漁業の復興なくして三重県産養殖カキの存続は有り得ません。
支援内容
- 漁船輸送にかかる物流支援
- 漁船の修理・整備にかかる支援
- 漁船輸送にかかる金銭的支援
- その他
漁船輸送結果
石巻湾支所 | 20隻 |
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雄勝湾支所 | 5隻(電動船2隻) |
志津川支所 | 5隻 |
閖上支所 | 4隻 |
女川支所 | 7隻 |
七ヶ浜支所 | 1隻 |
大槌漁協 | 3隻 |
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田老町漁協 | 4隻 |
三陸やまだ漁協 | 2隻 |
田野畑漁協 | 1隻 |
相馬双葉漁協 | 4隻 |
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