三重県津市にある「みえぎょれん」のサイトです。「みえぎょれん」や三重の海の紹介、お魚を使った料理レシピも掲載してます。

平成23年度・第33回 三重県海の子作品展 審査講評(三重県美術教育研究会 後藤みちる)

本年度で33回目を迎えることとなりました「三重県海の子作品展」ですが、今年も海の風景、海の生き物、海で働く人々が、のびのびと豊かに描かれており、子どもたちの観察力や表現力のすばらしさを改めて感じながら審査をさせていただきました。

小学校の部では、海の生き物を見たときの感動をそのままに、対象物を大きく元気よく描いた低学年の作品や、海の生き物たちの個性あふれる姿を、その驚きや感動とともに色あざやかに描いた作品、海で働く人々の様子を生き生きと描き出した作品がありました。
小学校の部で知事賞を受賞した尾鷲市立矢浜小学校6年生の酒井 駿さん『大漁』は、たくさん捕れた魚を、かごから大きな水槽に移しかえる一瞬の場面をとらえ、魚の光るうろこや張りのある流線型を美しく描き出しました。
また、同じく小学校の部で教育委員会賞を受賞した紀北町立相賀小学校6年生粟飯原 あずささん『魚のうずまき』は、魚が群れをなして泳ぐ壮大な景色を見たときの驚きと感動が、作品を通して強く伝わってきました。

中学校の部では、海で働く人々を間近で見学し、その力強さやたくましさを描いた作品や、天候や時刻によって表情を変える海を鋭くとらえた作品がありました。
中学校の部で知事賞を受賞した鈴鹿市立白子中学校1年生の古市 彩乃さん『白子漁港で働く人々』は、魚をすくい上げる漁師の陽に焼けた力強い背中を、たくましく見事に描き出しました
また、同じく中学校の部で教育委員会賞を受賞した尾鷲市立尾鷲中学校1年生の若林 秋音さん『からむき作業場で働く人々』は、黙々と作業を続ける人たちの様子を、新鮮な牡蠣のみずみずしさとともに再現しました。

知事賞、教育委員会賞の各作品については以上の通りですが、全体を通しては、点描やコラージュ、スタンピングなどの技法を用いた作品や、構図を工夫した作品が何点かあり、新しい表現の風を感じました。これからも子どもたちの素晴らしい感性に期待したいと思います。

最後に、この作品展がさらに発展し継続されることを願うとともに、三重の海がいつまでも豊かでありますことを祈ります。